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特集 内科治療のスタンダード―集団から個への橋渡し
関節リウマチ
Rheumatoid Arthritis
力丸 暘
1
1国立鳴子病院整形外科
pp.48-51
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901396
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■金療法が著効を示した慢性関節リウマチ(RA)
患者 37歳,女性,事務員.
1992年3月ごろより両手指のこわばりがあり,次第に両手指のPIP関節,MCP関節(Jl)の腫脹,痺痛が出現.症状が持続するため,1993年4月当院を受診.初診時,両手関節,示指から小指のMCP関節およびPIP関節,両膝関節の腫脹,痙痛が認められ,朝のこわばりも70分間あった.X線写真では関節周辺の骨萎縮が認められた.血沈が68mm/時間と充進し,RA因子も陽性で, RAHA 320倍, CRP 51μg/ml (3+),肝機能,腎機能,尿所見,末梢血所見には異常は認められなかった.またリウマトイド結節は認められなかった.ARA (American Rheumatoid Associa―tion:米国リウマチ協会)診断基準(表1)に基づき, RAの診断の下にロキソニン(60mg)3錠を分3,リドーラ(3 mg)2錠を分2で投与開始した.しかし下痢が認められたためリドーラを中止.シオゾールの注射に切り替えた.シオゾールは10mgを2週1回ずつ筋注し,総量が90 mgを越えた1993年10月ごろから関節腫脹は軽減し,朝のこわばりも消失した.さらにシオゾールを続けた結果1994年2月ごろには関節腫脹,関節痛もなく,血沈も11mm/時間で, CRPも陰性化した.
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