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特集 医師の考え・患者の考え―そのズレをどう埋めるか?
医師と患者の間を埋める
Anthropologic Approach to the Gaps between Doctors and Patients
箕輪 良行
1
Yoshiyuki Minowa
1
1自治医大大宮医療センター
pp.186-189
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900365
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■ズレへの対策
・解釈モデルを探る
・リクエストを明らかにする
・契約的アプローチを考える
・医師と患者の間に病気の理解や信念を巡ってズレを生ずると,せっかくの医師の助言や指導が活かされない.
・医師が患者の病気に関する考えについてわずかな時間を割いて簡潔な質問をして対応すれば,医療の質を高める場合が多い.
・患者の解釈モデルを予診票などで尋ねたり診察中に探りだす.医師が患者の解釈モデルを理解することはコミュニケーションギャップを埋めるのに役立つ.
・患者のリクエストを最初に明らかにしていくアプローチには,疾病を診断していく診断的アプローチや治療の適否を判断する適合性アプローチと別に,医師の診療上の困難感を減らす効果がある.
・医師と患者が双方の責任,同意,協議,満足がどうかを点検していく契約的アプローチが患者とのズレを減らすのに有用なことがある.
・これら医療人類学的なアプローチを利用してもズレが解消できない困難な臨床場面もある.
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