こどものsocial medicine 病気とともに積極的に生きる
心臓病―2.日常生活へのアドバイス
柳川 幸重
1
Yukishige Yanagawa
1
1帝京大学小児科
pp.62-63
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900324
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こどもの心臓病は大きく分けて後天性心疾患と先天性心疾患とに分けられてきた.歴史的には前者の代表はリウマチ性心疾患であったが,現代のわが国ではまれな疾患となりつつある.それに取って代わり現在では後天性心疾患の代表は川崎病であり,それに,心筋炎,心筋症などの心筋疾患が続く.川崎病に関する詳説は,この「こどものsocial medicine」の第1巻5,6号に取り上げられたのでここではあまり触れない.
先天性心疾患は,診断技術の進歩,とくに超音波検査の進歩と共に早期診断が可能となった.また,それと共に治療技術も進歩し従来あきらめられていた重症心疾患の生存率も飛躍的に向上しつつある.その結果,術前,術後も含めある程度の心臓の異常を持ちながら社会,学校生活を送る子供たちの数は増加しつつあり,一般内科医,家庭医,学校医の立場でもそのような子供を診療する機会が増加し,ある程度の知識が要求されるようになってきている.
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