Japanese
English
特集 外来診療のcontroversies
発熱時,解熱剤は何度から必要か
When Should We Use Antipyretics to Our Febrile Patients ?
柳川 幸重
1
Yukishige Yanagawa
1
1帝京大学小児科
pp.568-570
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900485
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
・McCarthyとDolanが41.1℃を越える発熱では重篤な感染症,とくに細菌性髄膜炎を伴っていることが多いと1976年に発表して以来,高熱のほうが悪いとされる時代があった.しかし,GershonやHibbertらの報告にあるように,41.1℃(直腸温)以上であっても,それだけではとくに細菌感染が多いとは言えないという意見が現在では多い.やはり病歴,症状,所見を加味して判断するのがもっとも正しいわけである.
・何度であろうと,ともかく早く熱を下げるべきであると思っている小児科医はまずいない.小児科では熱型から診断する診断技術が伝統的に存在するからであり,また,以下に述べる理由から,多くの小児科医は,ただ熱を下げれば良いとは考えていないからである.しかし,御両親の大部分は早く熱を下げたがっているのも事実である.この意味で解熱剤の使用に関するcontroversiesは,小児科医の中に存在するのではなく,小児科医と御両親の間に存在するとも言える.なお,以下において特に断わりのない場合は,直腸温を指す(→1).
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.