こどものsocial medicine 病気とともに積極的に生きる・9
心臓病―1.治療の基本方針
柳川 幸重
1
Yukishige Yanagawa
1
1帝京大学小児科
pp.902-903
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900289
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一口に心臓病と言っても,心不全症状が中心のものと,チアノーゼ症状が中心のものに大別される.またその他に不整脈など心臓のリズム異常を主とするものもあり,個々の疾患への対応は大きく異なる.ここでは,専門医でなければ診る機会のないような心疾患については述べず,一般の外来で診ることの多い心疾患についてのみ触れることとする.
心臓病のこどもを診ていく時は,できるだけ安全な時期に手術が行えるように配慮し,それまで成長・発達を正常に近くするように心掛けていくことが大切である.心奇形があれば,すぐにでも手術でなおして欲しいと思うのが両親の気持ちであるが,一般的には体が大きくなったほうが手術の成功率は高いことから,時期を失しない限り,手術がより安全に行える時期を待つように指導し,かつ,無意味な運動制限などを行わずに,それまでの時期にできるだけ正常に近い生活を送れるようにすることが望ましい.
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