Japanese
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特集 外来で見逃されやすい疾患I―症状からのアプローチ
気道過敏状態
Cough Variant Asthma
蝶名林 直彦
1
Naohiko Chounabayashi
1
1聖路加国際病院内科
pp.15-17
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900303
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■要注意の症状!
長期間続く乾性咳漱(特に夜間に強く運動や冷気で誘発される)
明らかな喘鳴を有さない
・喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性的(通常2カ月以上)に続く乾性咳漱で特に夜間多く,運動や冷気で誘発される.
・原則的には聴診上,乾性ラ音を聴取しない.
・ルーチンの肺機能(肺活量や1秒量)は正常範囲であるが,末梢気道に関する指標〔V50/V25(→2)やCdynの周波数依存性など〕に閉塞性所見を認める場合が高率である.
・気道過敏性を表す指標(アセチルコリン閾値,アストグラフ,→3)に異常を認める.
・アレルギー疾患の既往歴や家族歴を有する場合が多いが必須ではない.
・末梢血の好酸球比率やlgEの上昇を認める場合が多い.
・ステロイド,気管支拡張剤(theophylline,β―刺激剤等)などいわゆる抗喘息薬が有効.
・経過を追うと,喘鳴を伴う真の喘息発作に移行する例もある.
・咳嗽の原因として他疾患を除外できる.
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