みるトレ
Case 69
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
pp.845-846
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103344
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Case 69
患者:30代,男性.
主訴:発熱,呼吸困難,全身倦怠感.
病歴:数日前より体調不良を訴えていたが,来院当日道端で倒れているところを発見され近医に救急搬送された.近医での検査の結果,肺炎と診断され当院に転院となった.来院時,意識混濁と右肺炎による重症呼吸不全のため気管挿管され,人工呼吸管理が開始された.来院時に採取された喀痰グラム染色では少数のグラム陽性球菌,陽性桿菌,陰性桿菌を認めたため,誤嚥性肺炎の診断でドリペネムの投与が開始された.その後も呼吸状態の改善がみられず,発熱が続くため感染症内科にコンサルトとなった.
既往歴:気管支喘息.
身体所見:血圧155/99mmHg,脈拍95回/分,呼吸数20回/分,SpO2 97%(FiO2 0.4),体温38.6℃.
胸部聴診上,右肺野で吸気終末時のcracklesおよび肺野全体で呼気時のwheezeを聴取した.
検査所見:胸部X線検査:右中下肺野に浸潤影を認める(図1).血液検査:WBC 18,580/μl,RBC 4.69×106/μl,Hb 13.0g/dl,Plt 23.2×103/μl,AST 479IU/l,ALT 158IU/l,ALP 1,653IU/l,CK 39,800IU/l,BUN 44.3mg/dl,Cre 3.25mg/dl,CRP 45.81mg/dl,Na 128mEq/l,K 4.3mEq/l,Cl 90mEq/l.尿中抗原検査:肺炎球菌(-),レジオネラ(-).喀痰のヒメネス染色所見を図2に示す.
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