特集 臨床医のための産業医マニュアル
【現場に応じた産業医の1日】
予防―健康障害防止の視点から
浜口 伝博
1,2
1産業医科大学産業衛生
2ファームアンドブレイン有限会社
キーワード:
適正管理
,
仕事への適応
,
人への適応
,
ILO(国際労働機関)
,
WHO(世界保健機関)
Keyword:
適正管理
,
仕事への適応
,
人への適応
,
ILO(国際労働機関)
,
WHO(世界保健機関)
pp.800-803
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103330
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Case
産業医の提案にて長時間労働が削減できた事業所
ある情報通信企業では,毎年労使間にて長時間労働の短縮を目指した活動の打ち合わせを行ってきたが,いつもスローガンに終わり,過去25年一度も労働時間の短縮に成功していなかった.長時間労働対策の協力を打診された産業医は,労働安全衛生マネジメントシステムの導入を提案し,次のように指示をした.
「時短の目的は社員のワークライフバランスの向上である」,「全員が運動に参加すること」,「達成可能な目標を設定すること」,「実施可能な行動目標を職場単位で作ること」,「職場で定期的に行動達成の確認を行うこと」.
これらを全職場で実施したとたん,即座に効果が表れ,翌1年後には約6割の職場が10%以上の残業時間短縮に成功した.副効用として職場のコミュニケーションも活性化され,メンタルヘルス不調者の減少にもつながった.
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