みるトレ
Case 26
岩崎 靖
1
1小山田記念温泉病院 神経内科
pp.165-166
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102758
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Case 26
患者:72歳の男性.高血圧で内服治療中.1年ほど前から歩きにくいことを自覚し,半年前からしばしば転倒するようになった.物忘れや動作緩慢が目立つようになり,尿失禁も出現してきたため受診した.
現病歴:意識は清明で,構音障害なし.言語理解は良好で診察には協力的であったが,歩行や動作,質問に対する反応は全体に緩慢であった.対光反射は正常で,眼球運動に制限はなかった.筋力低下や感覚障害は認めなかった.腱反射は正常でBabinski徴候はなかった.歩行はやや小刻みな開脚歩行であった.筋強剛,静止時振戦はみられなかった.項部硬直や,髄膜刺激徴候は認めなかった.一般内科所見に異常はなかった.
検査所見:血液生化学検査に異常はなく,甲状腺機能は正常で,血清梅毒反応検査も陰性であった.初診時の頭部MRI像(図1a,b)を示す.
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