みるトレ
Case 85
岩崎 靖
1
1愛知医科大学加齢医科学研究所
pp.165-167
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200086
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Case 85
患者:66歳,女性.右手利き.
家族歴・既往歴:特記すべき家族歴,既往歴や治療中の疾患はない.
現病歴:2年ほど前からボタンの留めはずし,箸の使用,書字など右手の巧緻運動が困難となり,歩行時に右下肢が前に出にくくなってきた.1年ほど前から言葉も話しにくくなってきたため,神経内科を受診した.
神経学的所見:意識は清明,言語理解は良好であるが,質問に対しては,話しにくそうに詰まりながら返答した.筋力低下や感覚障害は認めなかったが,Vサインやじゃんけんのチョキの手指位,はさみの使用を指示しても,右手ではうまくできなかった.歩行時に右下肢のすくみがあり,小刻みな歩行を呈した.右上下肢に軽度の筋強剛を認めたが,腱反射は正常で,Babinski徴候はなかった.
一般内科所見,血液生化学検査では特記すべき異常は認められなかった.頭部MRI像(図1a, b),脳血流シンチグラフィ像(図2)を示す.
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