特集 診療ガイドライン盛り合わせ
【各論】
骨粗鬆症の診療スタンダードUp To Date
森 聖二郎
1
1東京都健康長寿医療センター臨床研究推進センター
キーワード:
骨密度
,
脆弱性骨折
,
ビスホスフォネート製剤
,
顎骨壊死
,
FRAX
Keyword:
骨密度
,
脆弱性骨折
,
ビスホスフォネート製剤
,
顎骨壊死
,
FRAX
pp.422-425
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101930
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現在,わが国の骨粗鬆症診療は,日本骨粗鬆症学会を中心に作成された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版」をスタンダードとしている1).本ガイドラインの特徴は,診断基準と薬物治療開始基準を別立てにしていることであり,これは骨強度を規定する要因として,骨密度(bone mineral density,以下BMD)に加えて「骨質(J1)」という概念が新たに導入されたことによる2).BMDはDEXA(dual energy X-ray absorptiometry)法などにより定量的に再現性よく測定可能であるが,骨質は現時点では客観的評価方法が確立していない.そのため,骨粗鬆症の診断はBMDと脆弱性骨折の有無で客観的に判定するが,薬物治療開始の判断には,さらに家族歴や嗜好など,骨質に影響する因子を加味した基準が用いられている.本稿では,ガイドラインのエッセンスについて解説し,さらにガイドライン作成後のトピックスとして,「FRAX(Fracture Risk Assessment Tool by WHO)」ならびに「ビスホスフォネート(BP)製剤(J2)使用と顎骨壊死の問題」について述べる.
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