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教育講座
骨折リスクの評価とその対策
Fracture Risk Assessment and Actions for Those with High Risk
萩野 浩
1
Hiroshi Hagino
1
1鳥取大学医学部保健学科
キーワード:
骨折リスク
,
骨粗鬆症
,
骨密度
,
FRAX
,
骨質
Keyword:
骨折リスク
,
骨粗鬆症
,
骨密度
,
FRAX
,
骨質
pp.484-488
発行日 2016年6月18日
Published Date 2016/6/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
骨折リスク診断は骨密度測定法の開発により可能となった.1963年にCameronらが世界で初めてアイソトープを使った骨密度測定装置である単光子吸収法(single photon absorptiometry, 以下SPA)を発明し,骨密度の定量的測定が可能となった.しかしながらSPAはアイソトープを使用するため,その使用に制限があり,精度も低かったため,臨床現場で広く使用されることはなかった.その後,1987年に二重X線吸収法(dual-energy X-ray absorptiometry:DXA)が発明され,短時間に正確な骨密度測定が可能となり世界中に普及した.その結果,骨密度は骨折リスクと密接な関係があることが明らかとなった.しかしながら,その後,骨密度のみで骨折リスクを100%予測することができないことも知られるようになった.
骨強度には骨密度とそれ以外の要因(骨質)が関与するが,現時点では骨質を評価する臨床ツールは存在しない.また骨折発生には骨強度のみではなく,転倒などの外力が関与する.そこで骨密度とその他の骨折リスクファクターによる骨折リスク評価が試みられてきている.
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