特集 80歳からの診療スタンダードUp to Date—Silver Standard
【80歳以上の高齢者の外来診療 ここがポイント!】
骨粗鬆症診療スタンダードUp to Date
折茂 肇
1
,
石井 成幸
2
1公益財団法人骨粗鬆症財団
2公益財団法人骨粗鬆症財団 事務局
キーワード:
骨粗鬆症
,
薬物療法
,
治療のゴール
Keyword:
骨粗鬆症
,
薬物療法
,
治療のゴール
pp.1057-1061
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201637
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わが国は超高齢社会
わが国の人口のうち、65歳以上の割合は27.3%、そのうち前期高齢者は13.9%、後期高齢者は13.4%であり(2016年)、2065年には約2.6人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上と予測されている。2016年の日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳と、いずれも80歳を超えている。一方、健康寿命では、2016年時点で男性72.14歳、女性74.79歳であり、健康寿命と平均寿命の差(不健康な期間)は、前回の調査に比べてわずかに縮まり、男性8.84歳、女性12.35歳であった。不健康な期間では、要介護等または入院することで、QOL(quality of life)の低下をきたす。
要介護状態とは、寝たきりになったり、自立した生活を送ることができない状態を指す。その原因の多くは、脳血管障害や認知症であるが、関節疾患や骨折・転倒が原因となっている場合も多く、特に女性の場合は両者を合わせると、原因の1位となる。要介護の原因となる骨折の多くは、骨粗鬆症によるものであり、特に足の付け根、すなわち大腿骨近位部骨折の受傷が多くを占めている。超高齢社会となったわが国では、この骨粗鬆症による骨折を防ぐことが重要な課題である。
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