特集 BPSDを診ていく
One more JIM
pp.827
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101800
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Q1 何度も同じことを聞かれたり,何度も説明しなければならないためにストレスを抱えている家族へのアドバイスのポイントを教えてください.
A1 認知症の人が何度も同じことを聞いてくることがストレスになっている家族は意外に多い.もの忘れは中核症状であるが,「つきまとい」の行為はシャドーイングと呼ばれるBPSDで,比較的対応しやすいBPSDに分類されている.しかし,認知症の症状をよく理解していない家族にとってはかなりストレスになり,家族はイライラして大声で怒鳴ってしまうことになる.認知症の人が同じことを何度も聞いてくるのは,直前のもの忘れが原因であり,これは訓練しても改善しない.初めて聞いた感覚の認知症の人は,いきなり怒られるという体験をすることになるため,介護家族との関係性は悪化していくことになる.これは病気が原因で起こるものとしてあきらめ,根気よく同じことを繰り返すという対応をしたほうが,家族も本人もストレスが少なくてすむということを家族に理解してもらうことが重要である.(加藤伸司→p784)
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