特集 プライマリ・ケアにおける精神症状とその対応
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佐藤 武
,
築島 健
,
磯部 潮
,
吉本 博昭
,
伊藤 洋
,
妹尾 晴夫
,
山本 ゆかり
,
秋月 伸哉
,
堀川 直史
,
吉村 玲児
pp.793-795
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903082
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Q1 プライマリ・ケアにおける精神障害の有病率と,その特徴を教えてください.
A 欧米の調査結果では,PCにおける精神障害の有病率は,11~36%の範囲にある.PCでよくみられる精神障害は,アルコール関連障害,うつ病,恐怖症などがあげられる.また,抑うつと不安が混在する状態像がしばしば認められ,国際診断基準を満たさない閾値下障害が増加している.一方,PCにおける精神障害は,①種々の慢性疾患や説明できない身体症状,②健康に対する認識度が低い,③社会的適応力の低下,④医療機関を転々とする,などの特徴があげられている(以上の診療の実際については,筆者らの別の論文「プライマリ・ケアにおける精神科問題点について―精神科の立場から―」(治療82:1678―1684,2000)を参照されたい).さらに,医療資源の有効利用,受療行動の問題としてのドクター・ショッピング,代替医療などが現在注目を集めている.
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