特集 からむ痰,うっとうしい咳
One more JIM
pp.62-63
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101604
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Q1 亜急性~慢性の咳の鑑別に身体所見は必要でしょうか?X線,肺機能検査,血液検査で十分ではないでしょうか?
A1 たしかに亜急性~慢性の咳では聴診所見正常である場合がほとんどである.しかしX線,血液検査,肺機能検査もほとんど正常である.気管支喘息のように,喘鳴の存在がヒントになる疾患,COPDのように,喘鳴,クラックルがヒントになる疾患が含まれとくに気管支喘息は検査所見は正常であることが多い.咳喘息においては肺機能検査でも異常を指摘できない.懸命に誘発しとらえたわずかな喘鳴,クラックルはそれだけで疾患を絞り込む有用な所見である.ただ本文中で述べたように検査も身体所見も的確に取られた病歴なしでは何の役にも立たない.亜急性~慢性の咳では聴診所見正常,検査所見正常であることは日常茶飯事であり病歴のみが診断を指し示す場合もある.繰り返しになるが病歴,身体診察を通じて絞り込まれた鑑別診断を最低限の検査で絞り込むのが原則である.(亀井 三博→p22)
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