特集 からむ痰,うっとうしい咳
咳はなぜ起こる?―咳の病態生理と鑑別診断
四元 秀毅
1
1東京病院
キーワード:
急性咳
,
遷延性咳
,
慢性咳
,
乾性咳
,
湿性咳
,
動的気道圧迫現象
Keyword:
急性咳
,
遷延性咳
,
慢性咳
,
乾性咳
,
湿性咳
,
動的気道圧迫現象
pp.16-20
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101595
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Case
咳を主訴として受診した気管支喘息の1例
患者:79歳,男性.
生活歴:事務職で,タバコを20歳から50歳まで毎日60本すっていた.
現病歴:数年前から労作時に軽い喘鳴があったが放置していたところ,最近,咳が頻繁に出るようになり,朝方に白色痰も出るようになって受診した.
現症と検査成績:背胸部に高音性連続音(wheeze)を聴取し,肺機能検査で肺活量2.20l(69%),1秒量1.13l(50%),1秒率51%と閉塞性換気障害を認めた.末梢血で好酸球数の増加やIgE値の上昇はなく,アレルゲン検査でスギに対する抗体価の上昇を認める程度であった.
治療:副腎皮質ステロイド薬の吸入療法で咳は軽減したが,喘鳴が続いたので気管支拡張薬を併用して症状の改善をみた.咳が前面に出るタイプの喘息(咳優位型喘息)である.
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