特集 知っておきたいゲノムの知識
ゲノム・遺伝子に関する倫理的側面
福嶋 義光
1
1信州大学医学部附属病院遺伝子診療部
キーワード:
遺伝学的検査
,
生殖細胞系列遺伝子変異
,
体細胞遺伝子変異
,
遺伝カウンセリング
,
インフォームド・コンセント
Keyword:
遺伝学的検査
,
生殖細胞系列遺伝子変異
,
体細胞遺伝子変異
,
遺伝カウンセリング
,
インフォームド・コンセント
pp.138-141
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101100
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ヒトゲノム・遺伝子解析研究の急速な進展により,稀で重篤な遺伝病だけではなく,一般の人々が多く罹患する高血圧,糖尿病,心筋梗塞などの生活習慣病やアレルギー疾患,悪性腫瘍,感染症に対する抵抗性など,ほとんどあらゆる健康の問題にゲノムや遺伝子が関係することが明らかとなってきた.それらのゲノム・遺伝子情報を明らかにする遺伝学的検査(genetic testing, J1)の役割はますます大きくなるものと予想される.
しかし,遺伝子情報には非常に高い確率で将来の発症の予知,疾病の予後の推定を可能とするものがあり,また個人の遺伝子情報がその家族・血縁者の情報をも内包することなど,従来の医療情報とは異なる面があり,今後,遺伝子情報を扱うすべての医師は,その倫理的側面を熟知しておく必要がある.
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