特集 表から裏まで! 隅々まで語る肺高血圧症―common diseaseを見逃さないために
[Chapter 2] 肺高血圧症診断と検査
肺動脈性肺高血圧症における遺伝学的検査の意義
平出 貴裕
1,2
1慶應義塾大学医学部 循環器内科
2国立循環器病研究センター ゲノム医療支援部
キーワード:
遺伝学的検査
,
遺伝カウンセリング
,
個別化医療
Keyword:
遺伝学的検査
,
遺伝カウンセリング
,
個別化医療
pp.24-32
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_24
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★★★遺伝学的検査は,病気の診断や発症予測などの健康管理に有用な反面,患者や家族員の人生を変えうる情報であり,検査の実施および結果の解釈については十分な検討が必要である.
★★★遺伝カウンセリングは,患者および未発症家族員の利益につながるような自己決定を支援することが目的であり,遺伝学的検査を実施する前に行うことが重要である.
★★肺動脈性肺高血圧症(PHA)は,遺伝学的要因と後天的な要因の両方が関連する多因子疾患であり,患者個々の疾患発症原因の特定が重要である.
★★PHAに対する遺伝学的検査および遺伝カウンセリングは,本邦のガイドラインでclass Ⅰ推奨となっている.
★PHAの遺伝学的検査を実施することで,Osler病の合併(ACVRL1, ENG)や静脈病変の診断(EIF2AK4),家族員の発症予測(BMPR2),もやもや病などの全身血管病変(RNF213),先天性心疾患の合併(SOX17)など,多くの情報を得ることができる.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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