特集 せん妄・妄想・幻覚へのアプローチ
せん妄患者への対応のコツと薬物療法
長谷川 修
1
Osamu Hasegawa
1
1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター安全管理室
キーワード:
せん妄
,
抗精神病薬
,
不安の除去
,
環境整備
,
感覚機能
Keyword:
せん妄
,
抗精神病薬
,
不安の除去
,
環境整備
,
感覚機能
pp.843-847
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101036
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Case
術後に突然の意識障害をきたした1例
患者:77歳,男性.
現病歴:胃癌の手術目的で入院.術前にはとくに精神症状はみられず,意識は清明であった.術後3日目の消灯時間に,閉眼しているが手は布団をまさぐり,何かつぶやいていた.呼ぶと開眼し,「よく眠りました」と返答した.会話中は落ち着いた口調で「痛み止めが効いて,大変楽です」と語っていた.その後,夜11時頃,素足のままベッド傍で「大事なものがない」と言って荷物をまさぐっているのを看護師に発見される.しばらく興奮していたが,話を聞いているうちにおとなしくなり,翌朝まで入眠した.翌朝には昨夜の出来事を全く覚えておらず,何を探していたのかも不明であった.
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