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連載 緩和医療のアップデート・Vol.6
せん妄の評価と治療:エビデンスアップデート
Assessment and treatment of delirium:evidence updates
井上 真一郎
1
Shinichiro INOUE
1
1新見公立大学健康科学部看護学科
キーワード:
せん妄
,
がん
,
ガイドライン
,
終末期
,
抗精神病薬
Keyword:
せん妄
,
がん
,
ガイドライン
,
終末期
,
抗精神病薬
pp.467-471
発行日 2024年5月11日
Published Date 2024/5/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289060467
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◎せん妄は,がんの治療経過中にみられることが多く,治療内容や療養場所の選択などに大きな影響をもたらす.わが国では,がん患者のせん妄に対する治療・ケアの均てん化を目的として,2019年に「がん患者におけるせん妄ガイドライン」が公表され,現在は2022年版が刊行されている.実臨床で本ガイドラインを活用するには,各臨床疑問における推奨文や推奨の強さ,エビデンスの確実性に加えて,採用文献などを参考にすることがポイントである.また,総論や臨床の手引きなどもきわめて充実した内容となっているため,緩和医療にかかわる医療者は,本ガイドラインをぜひとも手元に置いておきたい.そのほか,これまでがん患者がせん妄を発症した場合,たとえそれが終末期であっても,抗精神病薬による薬物療法に重きが置かれる傾向にあった.ただし,近年になってそのデメリットを示す報告が続いており,われわれは終末期におけるせん妄に対する非薬物治療の重要性を再考する必要があるのかもしれない.
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