特集 BPSDを診ていく
【地域でよくみられるBPSDにまつわる事項】
暴言・暴力,介護への抵抗,反社会的行動
楢林 洋介
1
1楢林神経内科クリニック
キーワード:
BPSD
,
レビー小体型認知症
,
塩酸ドネペジル
,
せん妄
,
抗精神病薬
Keyword:
BPSD
,
レビー小体型認知症
,
塩酸ドネペジル
,
せん妄
,
抗精神病薬
pp.806-809
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101795
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本特集において筆者に与えられたテーマは「暴言・暴力,介護への抵抗,反社会的行動」への対応である.実際のところ,それぞれのBPSDが独立して存在するのではなく,互いに影響しながら一連の症状として同じ認知症患者に現れることが多い.また,ひとくちに「暴力」といっても認知症を起こしている基礎疾患とステージ,さらには個々の例において出現の仕方やその背景はさまざまである.基礎疾患により一定の傾向をもちながら進行に伴って変化し,個別的要素が修飾を加えるというイメージである.
BPSDへの介入において大切なことは,介護者の訴えをまずは受容的に拝聴し,時には患者を交えながら話しあい考えることである.情報収集を行い,症状の内容や頻度,持続,時間帯,場所,場面,関わる人的要素などを知り対策を考える分析的な視点も併せて重要である.言葉の掛け方や居住環境の見直し,日中のデイケア参加など非薬物的対応のみでBPSDが消失することもまれではない.
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