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特集 誰も教えてくれなかった緩和医療—最新知識と実践
Ⅲ.臓器別症状と全身管理
がん患者のせん妄
Delirium in cancer patients
上村 恵一
1
Keiichi Uemura
1
1市立札幌病院精神医療センター
キーワード:
せん妄
,
注意障害
,
抗精神病薬
Keyword:
せん妄
,
注意障害
,
抗精神病薬
pp.766-769
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205434
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要旨 がん患者のせん妄は高頻度にみられるものの,現場での見逃しは多い。注目すべき症状は,睡眠覚醒リズム障害に加えて,注意障害がある点であり,どの型のせん妄にも必発である。見逃されるせん妄の多くは低活動型であるため,この視点は重要である。せん妄への介入として重要なことは回復可能性の判断を最初に行うこと,すみやかに原因の除去を行うこと,適切な向精神薬(特に抗精神病薬)の投与である。せん妄の回復可能性は原因によって頻度に差があるため,原因からの回復可能性を推察することは可能である。また向精神薬の選択に際しては有効性の面で薬剤間の差異は少なく,各薬剤の副作用プロフィールによって行うことが一般的である。
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