在宅医療技術の進歩21
肺動脈性肺高血圧症に対するプロスタサイクリン在宅持続静注治療
京谷 晋吾
1
Shingo Kyoutani
1
1国立循環器病センター心臓血管内科
pp.804-808
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101028
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肺高血圧症は肺動脈圧が異常に増加した病態と定義され,生理学的に肺動脈性(前毛細管性)と肺静脈性(後毛細管性)に分類される.後者は肺静脈そのものの循環障害であったり,僧房弁狭窄症のような左心系弁膜疾患や心筋症のような左室の流入障害による左室拡張期圧の上昇に伴う病態である.それに対して前者は肺動脈そのものの循環障害で,原発性肺高血圧症で代表されるような肺動脈の狭窄閉塞による血管抵抗の増加による病態である.
肺動脈性肺高血圧症には,膠原病のような疾病に合併して生じる続発性あるいは二次性肺高血圧症と,原因が明らかでない原発性肺高血圧症がある.これらの間では組織学的所見,臨床経過,治療法などが共通しており,肺動脈性肺高血圧症と総称され取り扱われるようになった.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.