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Case
患者:61歳,男性.
主訴:痙攣発作.
既往歴:脳炎後精神遅滞(幼少時).
生活歴:喫煙および飲酒歴なし.
現病歴:幼少時に脳炎を罹患し,精神遅滞がみられるようになった.25年ほど前から易怒性が強くなり,精神病院に通院し抗精神病薬を内服するようになっていたが,今まで痙攣を起こしたことはなかった.家族が抗精神病薬を増減量して内服させていた.入院当日,悪心を訴え,トイレで嘔吐していたらしい.その後トイレから大きな音が聞こえ,家族が駆けつけると全身性の痙攣発作を起こしていた.痙攣発作は1分ほどで治まったが意識は回復せず,救急車で当院受診となった.救急室受診後に強直間代性痙攣発作が2回みられ,呼びかけにも反応しなかった.
入院時現症:血圧140/80mmHg,脈拍129/分,呼吸数24/分,体温36.8℃.意識レベルGCS3点,瞳孔3mm左右差なし,頸部硬直なし,舌裂傷なし,呼吸音は清,心音は整・雑音なし,腹部は平坦・軟,腸蠕動音は正常.
神経学的所見:深部腱反射は正常で左右差なし,MMT(徒手筋力テスト)と知覚は不明(ただし,30分後にMMT4以上で明らかな左右差なし.知覚も疼痛に反応あり,明らかな左右差なし).
検査所見:血算;WBC25,700/μl,Hb15.9 g/dl,Ht31.2%,Plt33.6×104/μl.生化学;Na143mEq/l,K4.1mEq/l,Cl98mEq/l,Ca8.7mEq/l,BUN14mg/dl,Cr1.1mg/dl,CK24,875IU/l,Glc186mg/dl.
髄液所見:圧11cmH2O,赤血球0,比重1.005,pH8.5,細胞数4,単核球0,多核球0,蛋白35mg/dl,糖66mg/dl,キサントクロミー(-).
胸部X線:明らかな異常を認めず.
心電図:洞性頻脈.
頭部CT:図1.
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