EBM時代の生薬・方剤の使い方 [第9回・方剤編]
小青竜湯
馬場 駿吉
1
Syunkichi Baba
1
1名古屋市立大学耳鼻の咽喉科学
pp.801-803
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101027
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漢方薬は西洋医学的体系とは異なり,虚実,陰陽などの「証」によって使用するのが原則とされる.また,汎用されるのは多種の成分を調合した方剤であって,配合成分の総和によって薬効が発揮されるとされてきた.したがって,西洋医学的,分析的な観点からみたEBMという概念にはなじみにくいのが従来からの通念であった.
しかし,薬効を評価するうえで,できるだけ客観的な方法を取り入れ,東洋医学と西洋医学との接点を求める努力を積み重ね,一般医の診療においても使いやすくする努力が必要だろう.そうした観点から,アレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)に対する小青竜湯の薬効評価について二重盲検比較試験1)を実施した経験をもつので,その成績を振り返って,小青竜湯の使い方について考えを述べたい.
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