JIM Report
南大島診療所の医療活動と医師養成②―地域医療を担う臨床医と臨床研究者の育成
古垣 斉拡
1
,
岩永 明峰
1
1南大島診療所内科
pp.340-345
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100923
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地域医療と後期研修
筆者が所属している鹿児島民医連の後期研修の目的は,卒後4~6年目の離島診療所勤務に向けて,離島の医療を守れるように医療技術と知識・患者接遇などを高めることである.また患者さんを単に医学的にとらえるだけでなく,社会的にとらえる視点を重視し,養うことである.
離島の一般病院で行った後期研修では,初期研修の時期に比べてより高い主治医能力を求められ,幅広い疾患を診療できるようになった.また外来・病棟・在宅医療での継続的な患者管理を経験したことや,糖尿病を中心とする慢性疾患管理の責任を担ったことが診療所での診療につながった.さらに大学附属病院や大病院などで学ぶことが少ない,地域における医療・福祉・保健の幅広い連携,地域包括ケアについても学んだ.地域包括ケアに関しては初期研修で1~2カ月間学ぶ機会もあるが,期間が短いために施設やプログラムによっては不十分なものとなりえる.筆者(古垣)にとって地域医療の現場での後期研修はわが国の医療と福祉を俯瞰的な視野でみつめるきっかけとなった.
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