巻頭言
将来を担う循環器内科医の育成
平田 健一
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1神戸大学大学院医学研究科循環器内科学部門
pp.977
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101560
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最近の日本は政治が停滞し,経済の面でも中国や韓国の台頭で,日本社会全体に閉塞感が生じている.医療においても地域医療の崩壊など多くの問題が生じている.新医師臨床研修制度が導入されて以来,学生や研修医にとって研修病院の選択肢が広がったことは良いことであるが,その一方で,指導医が長期的な立場で医師の将来像や使命感などについて時間をかけて教育することが難しくなったように感じる.また,若い医師もその時々での研修先や進路に注意が向き,将来の展望についてじっくりと考える機会が少なくなっているように思う.最近,日本人の海外留学が減少しており,研究や臨床試験の領域でも中国などの台頭で日本の勢いがなくなっていることも将来の日本にとって不安材料に感じる.このような時代の中にあって,日本の次の世代を担う若い人材の育成こそが重要である.
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