特集 シマから学ぶ、プライマリ・ケアの未来—いざ、素晴らしき離島医療の世界へ
【離島医療を支える新しい形】
❻島だからできる研究/島でないとできない研究
金子 惇
1,2
1横浜市立大学大学院 データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻
2横浜市立大学医学部 臨床疫学・臨床薬理学講座
キーワード:
臨床研究
,
プライマリ・ケア研究
,
practice based research network
,
PBRN
Keyword:
臨床研究
,
プライマリ・ケア研究
,
practice based research network
,
PBRN
pp.677-679
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060677
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なぜ島で研究をするのか?
筆者は卒後4年目から6年目にかけて、医師1人、看護師1人の離島診療所(沖縄県伊平屋島、当時の人口1,300人前後)にて3年間勤務した。島での診療はとてもやりがいがあり、「離島医療の良い点を研究としてアウトプットしたい」と考えたのが臨床研究を始めた直接のきっかけである。また、当時離島医療に興味をもってくれた医学生の中から「離島医療に興味はあるが、離島に行くと研究などのアカデミックな活動から遠ざかり、医師のキャリアとしては遠回りになるのでは」という不安の声を聞くこともあった。そのようなやりとりを通して、「離島でも研究ができたり、学習を継続できたりする環境があれば、島医者を目指す人のリクルートにつながるのでは」と考えたことも、現在まで研究を続けているモチベーションの1つである。

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