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Case
患者:75歳,女性.
主訴:何となく元気がない,食べない.
既往歴:今回入院の1カ月前に胆囊摘出術.その他既往歴なし,現在内服中の薬剤などなし.
家族歴:特記すべきことなし.
生活歴:喫煙歴なし,アルコール飲酒なし,在日ペルー人(日本語は片言しかしゃべれず).
現病歴:来院2カ月前に発熱と腹痛を訴えて当院を受診し,胆囊炎と診断された.感染が落ち着いた後,胆囊摘出術を施行された.手術は問題なく行われたが,術後,あまり食事を摂れない状況が続いた.自宅に帰れば食欲もわくかもしれないとのことで退院したが,自宅ではほとんどベッド上の生活となっていた.今回,やはり食事がとれない,元気がないことが続いたため,当院救急室に受診となった.
入院時身体所見:身長150cm,体重70kg,血圧100/60mmHg,脈拍86回/分,体温36.7℃,呼吸数24回/分,SpO2 96%(室内気),意識はやや傾眠(GCS 14点,E4V5M5),瞳孔左右差なし,両側対光反射迅速,眼瞼結膜に貧血なし,眼球結膜に黄疸なし,頸部リンパ節触知せず,前頸部腫瘤触知せず,両側頸動脈雑音聴取せず,呼吸音は清・左右差なし,心音は整・雑音なし,腹部は平坦・軟であり圧痛を認めず,両下肢浮腫なし,直腸診にて腫瘤触れず・便潜血陰性.
神経学的所見;脳神経所見に異常なし,深部腱反射も正常反射,筋力低下は明らかではなかった.
入院時検査所見:血液;WBC 5,300/μl,RBC 334×104/μl,MCV 102fl,MCH 35.5pg,Hb 12.0g/dl,Hct 34.4%,PLT 18×104/μl.血清生化学検査;Na 136mEq/l,K 3.6mEq/l,Cl 96mEq/l,BUN 35mg/dl,Cr 0.8mg/dl,空腹時血糖100mg/dl,CRP 0.48mg/dl,TP 6.5g/dl,Alb 3.0g/dl,T-bil 1.3mg/dl,D-bil 0.6mg/dl,AST 24mU/ml,ALT 21mU/ml,CPK 112IU/l,STS(-),TPHA(-),HTLV-1(-).
尿検査;比重1.012,尿糖定性(-),蛋白定性(-),尿潜血(-).
胸部X線;CTR48%(心拡大なし).
心電図;正常範囲内.
頭部CT;軽度のびまん性の脳萎縮.
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