特集 医療における“物語”―Narrative-Based Medicine(NBM)
Narrative-Based Medicineの教育
山本 和利
1
,
宮田 靖志
2
1札幌医科大学医学部地域医療総合医学講座
2JA北海道厚生連地域医療研修センター札幌厚生北野病院
キーワード:
成人教育学
,
振り返り学習
,
自己主導型学習
Keyword:
成人教育学
,
振り返り学習
,
自己主導型学習
pp.846-848
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100711
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Narrative-based medicine(NBM)はevidence-based medicine(EBM)を補完するものとして提案されたが,その本質は,科学的なアプローチでは解決できない問題に対して,これまで用いられていた精神療法・家族療法を一般医向けに焼き直した実践法であるととらえることもできる.一般に,患者は問題を抱えているから医療の現場に現れるのであるが,ほとんどいつも患者は問題を「物語」として提示する.この患者の「物語」を医師中心の方法で分断し,そこに医師独自の「物語」(往々にして生物科学のみに基づく物語)のみを適用して医療が展開された場合,患者は癒されることはない.患者の生活の場に浸り患者のナラティブを理解し,さらによりよいナラティブに共同で創り上げていくことで患者は癒されていくのである1)(表1).
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