特集 悪心・嘔吐へのアプローチ
【症例から学ぶ悪心・嘔吐へのアプローチ】
One more JIM
pp.538
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100639
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Q1 副腎皮質機能低下症を疑った際の検査の進め方を教えてください.
A まず,血中ACTHおよび血中コルチゾールを測定する.血中コルチゾールが中間値(1例として15~34μg/dl)の際は,必要に応じて迅速ACTH負荷試験をはじめとする負荷試験を行う.
(谷澤公伸,他→本号p511)
Q2 神経学的所見は多岐にわたりバラバラになりやすいので,系統だった整理のしかたはないものでしょうか.
A 神経診断学の第一の目的は病巣のレベル(L)やその広がり,すなわち局在の決定です.これは本文で触れました.
次に重要なのは,神経のどのシステム(S)がやられているのかという問題です.とくに,神経変性疾患はシステムに特異的な障害をきたすことが多いからです.中枢神経系を構成するシステムは,①運動系,②知覚系,③自律神経系,④小脳系,⑤錐体外路系,⑥高次脳神経系,に分類され,システム別ではないものの特殊な系を構成しているという意味で,⑦脳神経を加えて合計7個に整理するとわかりやすいでしょう.
そして,これらの症状がどのように進行してきたのかという病歴history(H)の問題を考えることが重要です.
以上,レベル(L),システム(S),病歴(H)をあわせて,ホルモンになぞらえLSHと覚えておくと便利です.(加茂久樹→本号p521)
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