JIM臨床画像コレクション
骨シンチで描出された脳膿瘍
酒見 英太
1
,
谷口 洋貴
1
,
井関 太美
1
,
佐藤 秀人
1
1国立京都病院総合内科
pp.398
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100601
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症例は掌蹠に多発する有痛性結節性皮下出血(Osler結節)と反復する発熱で受診された生来健康な50歳主婦で,僧帽弁逆流音および結膜出血斑と合わせ,簡単に感染性心内膜炎の診断はついたが,血液からは予想に反してMSSAが培養された.発熱に先立ち上背部痛があったとのことで,骨シンチを撮ったところ,表紙写真上のように左前頭部にRIの異常集積を認めたため,まず頭蓋骨の病変を考えたが,病歴上頭部外傷,頭痛なく,診察上も頭皮正常,頭蓋骨に圧痛・叩打痛なく,頭蓋振盪痛もなく,神経学的にも前頭葉徴候を含めた異常は全くなかった.
しかし心内膜炎において,脳への無症候性細菌性塞栓は珍しくないため脳MRIを撮影したところ,同部位に,表紙写真下左・右に示すごとく,造影にて輪状増強を示す膿瘍とおぼしき病変を認めたため,骨シンチにおける異常集積はこれによるものと考えられた.
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