特集 健診で異常を指摘された人へのベストガイド
【がん検診での異常】
がん検診での異常―子宮癌
髙橋 健太郎
1
,
宮﨑 康二
1
1島根医科大学医学部産婦人科学教室
キーワード:
細胞診クラスⅢ
,
コルポ診
,
ねらい生検
,
子宮頸部病変
Keyword:
細胞診クラスⅢ
,
コルポ診
,
ねらい生検
,
子宮頸部病変
pp.346-350
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100590
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Case
子宮癌検診で子宮頸癌細胞診陽性と通知を受けた未妊婦人の1例
患 者:34歳,OL.
主 訴:子宮癌の精査.
既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:2年前に結婚し,子どもはまだいない.外陰部そう痒感と帯下異常でA産婦人科を受診し,「子宮癌検診もついでにやっておきましょうか?」と医師から言われ,軽い気持ちで子宮頸癌と体癌の検診を受ける.5年前に一度子宮頸癌検診を受け,細胞診クラスⅢaとの結果が出たことがあるが,その時の精密検査では何の異常もなく,その後,検診は受けていない.今回の検診の結果は郵送でわかるということで手続きをして帰り,2週間後「体癌検査:クラスⅡ,異常なし.頸癌検査:クラスⅢb,精密検査が必要です.できるだけ早く精密検査のために専門病院を受診して下さい.」の通知を受け,本日,子宮癌の精査目的で来院.
子宮癌検診には子宮頸癌検診と体癌検診とがあるが,一般的にはその発生頻度からいって子宮癌検診は子宮頸癌検診と考えられている.子宮頸癌検診には老人保健事業にもとづく市町村での子宮頸癌検診のほかに職域健診,被爆者健診,人間ドックなどさまざまな健診が行われている.問診の結果,最近6カ月以内の不正性器出血を認めた者に対しては一定条件の下で子宮体癌検診が行われている.これらの一次健診で異常の拾い出しが行われ,二次検診として病変の確定のために,患者が来院する.
本稿では紙幅の都合上,子宮頸癌検診異常者に対する,医師の対応のしかたについて述べる.
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