特集 健診で異常を指摘された人へのベストガイド
【がん検診での異常】
がん検診での異常―前立腺癌
武田 繁雄
1
,
筧 善行
1
1香川医科大学泌尿器科学
キーワード:
PSA値
,
系統的前立腺生検
,
病期ごとの治療法選択
Keyword:
PSA値
,
系統的前立腺生検
,
病期ごとの治療法選択
pp.351-354
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100591
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前立腺と前立腺癌(早期診断のために)
前立腺は,前立腺液を分泌し精子に栄養を与える役目をもつ男性の生殖器の一部で,膀胱から出ていく尿道を取り囲むように存在し,骨盤腔のなかでも低い位置にある臓器である.40歳頃より徐々に,良性の肥大症や悪性の癌などの発生母地となってくることがわかっており,これらは男性ホルモンの影響で発育・増殖していく特徴をもっている.前立腺癌は近年,日本人での発生が急激に増加している癌のひとつであり,その早期発見には,PSA(prostate specific antigen;前立腺特異抗原)というマーカー検査を主体とした地域検診や健康診断の普及が貢献している.早期の前立腺癌の場合,排尿や性機能障害などに特異的な症状が現れることはないが,進行癌になると排尿困難や血尿などの尿路症状や,転移による疼痛,神経麻痺,下肢の浮腫などが出現する.
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