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【疾患編7】悪性腫瘍
《がん検診》
子宮体がん検診/検診異常の精査
進 伸幸
1
,
齋藤 英子
1
,
田中 都生
1
1国際医療福祉大学三田病院 女性腫瘍センター・婦人科
pp.418-423
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209381
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がん検診のポイント
がん検診は,行政検診でのスクリーニングの場合と,精査目的の外来診療としての内膜検査の場合とがある.
❖子宮体がん検診は,子宮頸がん検診の際に,不正性器出血があって,50歳以上または閉経以後の者または月経不規則の者を対象として行われることがあるが,実施されていない市町村も多い.子宮体がん検診は,死亡率減少を指標とした場合の有効性は示されていない.
❖不正性器出血,内膜肥厚,内膜細胞診異常,過多月経などを主訴に受診となることが多い.最終月経,月経周期,妊娠の可能性,基礎体温などの情報を確認し,経腟超音波検査にて内膜の厚さ,内腔の方向,エコー輝度不均一性などを細胞診や組織診の前に確認しておく.
❖内膜細胞診は擦過式と吸引式があり,出血状態により選択する.マルチン鉗子で過度に頸部を牽引すると迷走神経反射をきたすことがあり,注意が必要である.内膜組織診は,擦過式の場合は子宮の前屈後屈の程度に合わせてキュレット鉗子の曲げ方を調節して,4方向以上でゆっくり掻爬を行う.
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