特集 健診で異常を指摘された人へのベストガイド
【がん検診での異常】
がん検診での異常―大腸癌
多田 正大
1
1多田消化器クリニック
キーワード:
大腸癌
,
免疫便潜血検査
,
大腸内視鏡検査
,
注腸X線検査
Keyword:
大腸癌
,
免疫便潜血検査
,
大腸内視鏡検査
,
注腸X線検査
pp.336-338
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100587
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
自覚症状はなかったが,S状結腸にmp癌が発見された1例
患 者:64歳,男性.
既往歴:特記事項なし.
現病歴:自覚症状はなかったが,人間ドック検診で便潜血検査陽性を指摘された.痔疾があるので自らは痔出血と考えていたが,医師の勧めで大腸内視鏡検査を受けたところ,S状結腸に1/3周性の腫瘍が発見された.腹腔鏡補助下手術で治療を行った結果,深達度mpの高分化腺癌で,リンパ節転移はなかった.
大腸癌検診の基本とピットフォール
日本人に大腸癌が増加しているが,その早期発見のために地域住民を対象にしたり,職域,人間ドックなどで大腸癌検診が導入されている. その手段として免疫便潜血検査(J1)が活用されることが多い.すなわち免疫便潜血検査でスクリーニングしたのち,二次検査(精密検査)としてtotal colonoscopyまたは注腸X線検査+sigmoidoscopyを行う検診スタイルである(図1).注腸X線検査は大腸癌の好発部位である直腸やS状結腸の診断に弱点があるので,sigmoidoscopyを併用するという趣旨である.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.