特集 細胞診―21世紀への展望
第2章 検診・外来診療における細胞診の役割
2.子宮体癌検診
岡島 弘幸
1
Hiroyuki OKAJIMA
1
1神奈川県予防医学協会婦人検診部
pp.1212-1216
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904536
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老人保健法成立まで
日本産科婦人科学会腫瘍委員会の報告によると子宮体癌の報告例数は年々徐々に増加しており,1983年,子宮癌中に占める体癌の頻度は15.2%であったが,1993年には32.3%に達している(図1)1).年齢階層別発生頻度でも総体的に増加しており,これは日本人の平均余命が延びたための見かけ上の増加ではなくて,戦後の生活習慣の欧米化による変化と理解されている.
一方,癌の二次予防のための学会としての組織的な動きは,1959年(昭和34),第11回日本産科婦人科学会総会において,宿題報告「子宮頸癌の早期診断に関する研究」(増淵一正癌研究会附属病院婦人科部長)にみることができる.これはまた同年開催された第15回日本医学会総会のパネルディスカッションのテーマでもあって,学会をあげて早期癌発見のための方策を模索していたことがわかる.
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