感染症フェロー便り・4
―HIV①―「死ぬ病気」から「外来で診る病気」へ
松永 直久
1
1UCLA Affiliated Program in Infectious Diseases
pp.768-769
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100421
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32歳,女性.頭痛のため来院.頭部MRIでring-enhanced lesionが認められ,血清トキソプラズマ抗体は陽性.トキソプラズマ症と診断され,スルファジアジン,ピリメタミン,ホリナートカルシウムが開始された.胸部X線写真では粟粒陰影が認められた.抗酸菌の喀痰塗抹検査は3回とも陰性であったが,経気管支鏡生検の結果は抗酸菌陽性と判明.培養結果で粟粒結核と確定診断.また,HIV検査を施行したところ陽性.その後,患者さんの娘もHIV陽性と判明した.
1981年6月,米国CDC発行のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌上にロスアンゼルスで5件続いたニューモシスチス肺炎の症例が発表されました1).のちに,米国におけるHIV感染によるAIDSの最初の症例ということが突き止められたわけですが,それから今年で25年.米国ではNew England Journal of MedicineやMMWRなどの医学誌だけでなく,New York Timesなどの新聞でも記事がみられ,Newsweekでは特集が組まれていました.
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