増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血感染症
HIV
吉原 なみ子
1
1国立感染症研究所エイズ研究センター第二室
pp.297-301
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903165
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はじめに
輸血のためのヒト免疫不全症候群ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)検査は,主として抗体検査である.たくさんのHIV検査があるが,1つの検査法を選ぶとすれば,抗体検査にまさる検査法はない.弱点としては,抗体が検出できるまでのウインドウ期(window period;WP)に,HIV感染がわからないことである.現在,WPを短縮するため,抗体検査の抗原にリコンビナントや合成ペプチドを使ったELISAや,IgM抗体がとらえやすいサンドイッチELISAが開発されている.また,抗体検査の補助的方法としてp24抗原検査やPCR(polymerase chain reaction)の導入が検討されている.HIVの全般の特徴を理解し,これからの輸血検査について考えを進めたい.
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