感染症フェロー便り・5
―HIV②:HIVを疑う―「何かおかしい」
松永 直久
1
1UCLA Affiliated Program in Infectious Diseases
pp.844-847
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100437
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34歳の男性.最近,呂律が回らなくなり,左手と左足に力が入らなくなったということで来院.
「何かおかしい」
この患者さんを診た時の最初の印象でした.この第六感が臨床では意外と重要なのかもしれません.みなさんもこんな経験はないでしょうか.
朝診察した患者さんが,午後になって急変した.思い返してみると,確かに「何かおかしい」とよぎったものの,気にとめるほどでもなく,そのままにしておいた.後でよくよくデータを見返してみると,実はいつもより血圧が下がっていたり,脈拍数が上がっていたり,といったわずかな徴候があり,患者さんの異常を示す変化の総体が「見た目」として現れ,「何かおかしい」と感じていたのだと思い知らされる.
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