Correspondence
アルコール依存症を思わせる症例への対応について
太田 秀造
1
,
上田 剛士
2
,
酒見 英太
2
1医療法人耕仁会札幌太田病院精神科
2洛和会音羽病院総合診療科
pp.751
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100417
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『JIM』16巻6号(2006年6月号),pp440-443に掲載された“What's your diagnosis?”の第42回「肴が象徴」について,精神科医の立場から意見を述べる.
病歴によると,「痛風発作も起こしている常習飲酒家の37歳の主婦」が「日本酒・ビール・焼酎を1升程度飲酒し」,「翌日深夜も飲酒」とある.以上の病歴から,本症例は精神科的にはアルコール依存症を強く疑わなければならない.内科的には腸管アニサキス症との診断で正解であろうが,アルコール依存症を念頭においた対応をしなければ,この症例は今後,肝障害,膵炎,糖尿病などさまざまなアルコールに関連した内科疾患を繰り返すことが考えられる.
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