特集 ジェネラリストのキャリアパス “初期研修”から“後期研修”へ
【ジェネラリストのキャリアパス】
自治医科大学地域医療学/総合診療部―地域のニーズにこたえる医療
三瀬 順一
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1自治医科大学地域医療学センター地域医療支援部門/附属病院総合診療部
キーワード:
地域医療
,
家庭医
,
後期研修
,
地域包括ケア
Keyword:
地域医療
,
家庭医
,
後期研修
,
地域包括ケア
pp.556-559
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100376
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Question & Answer
Q:ジェネラリストに必要な資質は何ですか?
A:資質というより,志でしょう.まずは,地域のニーズを直に感じられるところで研修することです.自分に何が必要とされているか気付く感性があれば完璧です.
ジェネラリストをめざすまで
私は,1961年,愛媛県南部(南予)の山あいの町に生まれた.中学生の時,その町の病院が医師確保に難渋していると聞き,そのようなところで医師として働きたい,と考えるようになった.その後,高校のOBである岩村昇氏のネパールでの活動を知り,社会医学に関心を持った.また,南予を舞台にした稲葉峯雄著『草の根に生きる』(岩波新書)1)に出会い,そこで展開されていた生活に密着した保健医療に強く惹かれた.
愛媛大学では,岩村氏が大学教員だった時の医学生で,『草の根に生きる』に若手医師として登場する先生が顧問をしているサークル,保健医療研究会に入った.そこで,医療問題について学びながら,夏には大学近くの農村でのフィールドワークで「地域医療」を学んだ.住民健診に前後して各戸を訪問して,生活や医療のことをインタビューして回り,医療への期待や不満を直接聞き取る作業は,たいへん根気のいるものではあったが,インタビューや,聞いてきたことをまとめる作業や,その発表を通じて,今も日々必要とされている能力の核が形成されたと思う.
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