特集 今後の医師養成と病院
医師後期専門研修のあり方と病院の役割
渡邊 清高
1,2,3
,
土屋 了介
2,4
1国立がんセンターがん対策情報センター
2国立がんセンター中央病院
3平成20年度「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班」事務局
4平成20年度「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班」
キーワード:
臨床研修制度
,
後期研修
,
専門医
,
家庭医
,
卒後教育
Keyword:
臨床研修制度
,
後期研修
,
専門医
,
家庭医
,
卒後教育
pp.1010-1014
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
今日の医療が抱えている問題の多くが,医師の研修,養成のあり方の議論に結びついている.本稿では筆者らが関わった平成20年度「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班」(以下,研究班)での議論を通じて,専門医・家庭医養成の見直しの方向性のポイントと,病院の位置づけ,役割について概説したい.
卒後教育の充実に向けた改革こそが,医療が抱える多くの問題の解決に導くものであり,そのためには医師の自律と国民との対話が不可欠である.具体的には,①家庭医・総合医,専門医の専門性を確立し,②地域における医療体制における位置づけを明確にすること,加えて③説明責任,プロセスの透明化,認証のための質の保証である.専門病院,大学医学部,地域病院,診療所など様々な診療形態からなる医療関係者に加え,研修医や医学生,支払い基金,行政機関,地方自治体,地域住民などの参画により,医師養成の仕組みを構築する「公的な独立機関」として,「卒後医学教育認定機構(仮称)」の設立を提言した.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.