特集 どう発展させる 病院総合医
病院総合医―その専門性について
池田 康夫
1,2
1日本専門医制評価・認定機構
2早稲田大学理工学術院生命医科学科
キーワード:
専門医制度
,
地域医療
,
総合診療医
,
家庭医
Keyword:
専門医制度
,
地域医療
,
総合診療医
,
家庭医
pp.112-114
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101884
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低医療費でありながら,世界一の長寿国であり,新生児死亡率も最も低いことから,わが国の医療制度の国際的評価は非常に高いものであったが,現状はと言えば“医療崩壊”なる言葉で表されるごとく,医療の地域格差,診療科における医師の偏在,救急医療体制の不備等,多くの緊急に解決すべき課題が山積している.この現状を打開する1つの鍵として,国民に広く支持され,医師にとっては生涯学習の意欲を継続させるにたる専門医制度の早期の確立が非常に重要であるとの認識が高まりつつある.日本専門医制評価・認定機構では各学会が設けている専門医制度の整備・標準化を目指し活動をしているが,同時にわが国の医療制度の中において専門医制度をどのように構築すべきか,その枠組みについての議論を急いでいる所である.
2008年,日本学術会議は「医療のイノベーション検討委員会」における検討結果を要望書としてまとめ発表したが,その中で専門医制度の体制整備の必要性を特に強調している.また,厚生労働省の「医療における安心・希望確保の為の専門医・家庭医の在り方に関する研究班」(主任研究者:土屋了介)でも医療における質管理・品質保証の仕組みの構築,専門医・家庭医・総合医の専門性の確立と地域の医療体制の再構築等の重要性が述べられている.これらの動き,提案からもわかるように,地域医療・総合診療の提供体制の現状認識の上に立って,医療の役割分担,他の専門医との協調・連携の視点からの専門医制度設計が喫緊の課題であることが容易に理解できる.
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