特集 結核を見逃すな!
医療従事者の結核感染
阿彦 忠之
1
1山形県村山保健所
キーワード:
結核発病
,
再燃
,
高危険因子
,
合併症
,
免疫抑制
,
結核予防法
,
届出義務
,
守秘義務
Keyword:
結核発病
,
再燃
,
高危険因子
,
合併症
,
免疫抑制
,
結核予防法
,
届出義務
,
守秘義務
pp.394-397
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100097
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わが国の結核は,1999年の厚生大臣(当時)による緊急事態宣言以降,罹患率の減少速度がやや回復した.しかし,世界的には依然として「中蔓延国」であり,結核の院内感染が全国各地で発生している.2000年から2004年(中間)までに厚生労働省へ報告された結核集団感染(J1)事件に限っても,その数は170件に上っている.しかも,報告例の約2割は,病院(精神や療養型を含む)で発生したものであった(図1).病院における結核集団感染では,入院患者の結核の「診断の遅れ」に起因する事例が多いほか,医療従事者自身が結核に罹患し,その発見が遅れたために大規模な集団感染対策に発展した事例も多い.そこで本稿では,医療従事者が関与した最近の結核集団感染事例を紹介するとともに,医療従事者の結核感染を防ぐための具体的な方策などを提案したい.
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