特集 IgG4関連疾患を整理する!
6 IgG4関連疾患に対する治療戦略
山本 元久
1
,
髙橋 裕樹
1
1札幌医科大学医学部免疫・リウマチ内科学
キーワード:
IgG4関連疾患
,
個別化医療
,
再燃
,
ステロイド薬
,
生物学的製剤
,
早期治療介入
Keyword:
IgG4関連疾患
,
個別化医療
,
再燃
,
ステロイド薬
,
生物学的製剤
,
早期治療介入
pp.479-485
発行日 2018年5月5日
Published Date 2018/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000657
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
IgG4関連疾患は,高IgG4血症と腫大した罹患臓器への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化を呈する,全身性・慢性炎症性疾患である1)。IgG4関連疾患のなかの涙腺・唾液腺病変は,以前はミクリッツ(Mikulicz)病2)と呼ばれていたが,今世紀に入り,わが国でIgG4関連疾患として疾患概念が確立された3)。その認知度が高まるにつれ,医療機関を受診する患者も増加傾向にある。さらに2015年には厚生労働省によってIgG4関連疾患は「指定難病」にも認定され,重症例に対しては医療助成が受けられるようになった。このため医療現場では,適切なIgG4関連疾患の診断と治療が求められるようになった。ここで本稿では,IgG4関連疾患の治療に重点を置き,私たちが構築し進めているSapporo Medical University and related institutes database for investigation and best treatments of IgG4-related disease(SMART)レジストリー4)のデータをもとにその現状と問題点を概説したい。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.