Japanese
English
症例
長期慢性腎不全維持透析中に下腿潰瘍を生じたANCA関連血管炎の1例
ANCA-associated vasculitis with leg ulcers in a patient after long-term hemodialysis
伊藤 有美
1
,
田邉 稔明
1
,
市來 尚久
1
,
久田 智子
1
,
菅田 実穗
1
,
小寺 雅也
1
Yumi ITO
1
,
Toshiaki TANABE
1
,
Naohisa ICHIKI
1
,
Satoko HISADA
1
,
Miho SUGATA
1
,
Masanari KODERA
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院,皮膚科(主任:小寺雅也部長)
キーワード:
ANCA関連血管炎
,
MPO-ANCA
,
下腿潰瘍
,
維持透析
,
再燃
Keyword:
ANCA関連血管炎
,
MPO-ANCA
,
下腿潰瘍
,
維持透析
,
再燃
pp.70-74
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002352
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77歳,女性。40歳時に慢性腎不全で維持血液透析を導入した。68歳時に多関節痛,発熱,炎症反応上昇,MPO-ANCA高値よりANCA関連血管炎と診断された。プレドニゾロン5mg維持中の77歳時に発熱し,右下腿の有痛性紫斑および血疱が出現し,潰瘍化した。病理組織像では真皮全層の血管に顕著な壊死性血管炎の像がみられた。MPO-ANCA値の上昇があり,ANCA関連血管炎の再燃と診断した。プレドニゾロン30mgに増量し,リツキシマブ併用で潰瘍は徐々に上皮化,ステロイド漸減中であったが,右手指の潰瘍からの感染で敗血症を生じて永眠された。ANCA関連血管炎は再燃が多く,病勢を反映する信頼できるマーカー,維持治療期および再燃時の治療法の確立が望まれる。
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