シリーズ最新医学講座・Ⅱ 耐性菌の基礎と臨床・9
主として市中感染で問題となる耐性菌・3
結核菌(非定型抗酸菌も含む)/臨床編
鈴木 幸男
1
Yukio SUZUKI
1
1北里研究所病院呼吸器科
キーワード:
直接服薬確認療法(DOTS)
,
結核予防法
,
結核医療の基準
Keyword:
直接服薬確認療法(DOTS)
,
結核予防法
,
結核医療の基準
pp.1196-1200
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100742
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はじめに
かつて「国民病」と恐れられたわが国の結核の状況は,1951年に結核予防法が改正されて公費負担制度が確立したこと,および生活環境の改善や医療の進歩などにより,著しく改善されてきた.しかし,1997年には新登録患者数および罹患率が増加に転じ,さらに高齢者における結核の増加,結核集団感染の多発,多剤耐性結核などの諸問題が噴出したことより,1999年「結核緊急事態」が宣言された.その後,新登録患者数および罹患率は再び低下しているものの鈍化傾向にある.わが国の人口構成は少子高齢化にいっそうの拍車がかかり,かつ高齢になるほど結核罹患率は上昇することより,今後は高齢者を中心とした結核対策がますます重要になってきている.以下,耐性結核菌の治療を中心に述べる.
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