Japanese
English
特集 肝胆膵の悪性腫瘍の早期診断をめざして―ハイリスクグループの設定と画像診断
膵癌のハイリスクグループ
超音波による膵癌高危険群の同定―主膵管拡張と膵嚢胞
Predictive signs of Pancreatic Cancer detectable with Ultrasonography
田中 幸子
1
,
井岡 達也
1
,
高野 保名
1
,
高倉 玲奈
1
,
仲尾 美穂
1
,
鈴木 玲子
1
,
福田 順子
1
,
上原 宏之
2
,
池澤 賢治
2
Sachiko TANAKA
1
,
Tatsuya IOKA
1
,
Yasuna TAKANO
1
,
Rena TAKAKURA
1
,
Miho NAKAO
1
,
Reiko SUZUKI
1
,
Junko FUKUDA
1
,
Hiroyuki UEHARA
2
,
Kenji IKEZAWA
2
1大阪府立成人病センター 検診部
2大阪府立成人病センター 肝胆膵内科
1Department of Cancer Survey,Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases,Osaka
2Division of Digestive Diseases,Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases,Osaka
キーワード:
膵癌
,
高危険因子
,
超音波
,
膵管拡張
,
膵嚢胞
Keyword:
膵癌
,
高危険因子
,
超音波
,
膵管拡張
,
膵嚢胞
pp.229-234
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100252
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要旨
難治癌である膵癌対策のためには,早期診断が何よりも重要であり,高危険群に対する厳重な経過観察が有望と期待される.前向き研究の結果,スクリーニングの超音波検査で検出し得る所見として,主膵管の軽度拡張(>2.5mm)と膵囊胞(5mm以上)が統計学的に有意な膵癌の高危険因子であった.両者を併せ持つ人では,5年累積罹患率が5.6%と高く,どちらの所見も示さない人に比べ後に膵癌を発症する危険性が27.5倍であった.
したがって,健康診断時の腹部超音波検査で主膵管の軽度拡張や膵囊胞にも注意して拾い上げを行い,その時点で膵癌を積極的に疑う所見がなくても,膵臓に留意した検査を定期的に受けるよう勧める必要があると考えられる.
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